事実上の標準

世の中には、知らず知らずに使っている「事実上の標準」というのがたくさんある。
「事実上の標準」は、市場を寡占しているが、それが必ずしもいちばん良い選択肢であるとは限らない。
 
ひょんなことから、日本の大学図書館のシステムにも、「事実上の標準」があることを知った。
Googleで「wwwOPAC(japanese)」というキーワードで検索すると、多くの大学図書館で同一のシステムが使われていることが一目瞭然だ。
 
これらのページタイトルが、すべて同じであることに驚いた。
これはシステムのデフォルトのタイトルだろう。
GoLiveFileMaker などで制作したWebページにも、同様の症状があったと思う。
ここには商品名が入っていないだけマシかもしれない(ただし画像で商品名が大きく表示されているサイトもあった)。
これでは、ブックマークに追加しても、どの大学図書館のサイトなのか判別できない。
 
さらに、どこもほとんど同じインターフェイスになっている。
ボタンの画像を変更しているところはあるけれど、レイアウトにはあまり変化がない。
なぜか。
このシステムは、Webアプリのパッケージとして提供されているからだろう。
このようなパッケージでは、どうしてもデザインのカスタマイズに限界がある。
そのため、パッケージ導入後にデザイナーがいくら頑張っても、時すでに遅しで、パッケージの仕様が優先されてしまう。
なぜかこの種の硬直したパッケージには、フレームセットを利用したページが多い。
フレームセットを使うことで、ナビゲーションの作成が容易になるのはわかるけれど、ユーザビリティが犠牲になっている。
 
あまりにも非合理な制約が多すぎて困っているデザイナーは、たくさんいるはず。
声を上げていかなければ、この状況は改善されないだろう。
汎用的なWebアプリは、もっと柔軟にカスタマイズできるように、はじめから設計するべきだろう。
開発時には、ぜひユーザビリティを考慮できるデザイナーを参加させてほしい。