有線から無線へ(田舎のメディア)

生まれ故郷の話。
田舎には、都会にはないローカルメディアがある。
 
来月、有線放送電話が終了するそうだ。
合併した隣町のオフトーク通信も終了するんだろうな。
代わりに、防災行政無線というのが始まるらしい。
全ての住宅に新しいアンテナが設置されていた。
 
有線放送の端末は、黒電話のお化けだった。
黒電話では回転式のダイヤルがある丸い部分が、スピーカーになっている。
電話のようだけど電話じゃない不思議な存在だった。
もちろん以前は、電話として機能していたようだ。
電話番号帳を見た覚えがある。
ダイヤルがないので、きっと交換手に番号を伝えて繋いでもらうのだろう。
 
現在の有線放送は、役場や農協からのお知らせに使われている。
重宝するのは、町内の人の死亡・通夜・葬儀のお知らせだ。
 
設備の老朽化だろうか、最近は音量が小さくなったとか。
調べてみたら、この町の有線放送は、1961年スタート。
現在の加入者は、わずか1850世帯。
全国的にも、有線放送電話は、60年代がピークで、
オフトーク通信は、90年代がピークのようだ。
今後、田舎のメディアは何になっていくのだろうか。
 
有線放送の番組はいつも「ティー・エヌ・エイチ」で終わる。
まるで海外の放送局みたいなコールサインだ。
長い間、聞き取ることもできず、サインが分かった後も謎のコトバだった。
あるとき、その正式名称を知った。
 
さようなら、ティー・エヌ・エイチ。
砥用(ともち)・農協・放送。