沖縄発ラジオ深夜便

今夜は、あくせすの例会でムービーカードのデモをやりました。
http://www.media-access.org/
 
さいきんは、AMラジオ三昧です。
今晩の「ラジオ深夜便」は沖縄発で、帰りの車内で聴いた0時台の「沖縄の祭りを聞く」に、耳が釘付けになりました。
 
なんとも不思議な音の正体は、久高島の「イザイホー」という祭事の録音でした。
イザイホーは、12年に一度午年に行われ、島の普通の女性が神「神女(かみんちゅ)」になります。
このイザイホー、1978年を最後に行われていません。
中断してしまったのは、神女(かみんちゅ)になるための条件が厳しくて、それを満たす人がいなくなってしまったからだそうです。
その条件とは、島で生まれ育って、島の男と結婚するというもの。
島には高校がないため、子供たちは高校生で島を出て、戻ってくる者は少ないそうです。
数々の祈りの言葉や唄は、上の世代から口で伝えられています。
 
集団でトランス状態になっている声だけを聴いていると、いやがうえにも想像心がかきたてられ、神秘性が高まります。
秘祭イザイホーの録音は、声だけのメディア・ラジオならではの企画でしたが、深夜に聴く祭祀の非日常的な音声は、正直恐ろしかったです。
 
録音した宮里千里さんは人類学者かと思いきや、市役所職員の傍ら、年休と結婚休暇を使い果たして、イザイホーの録音に臨んだという面白い人でした。
 
長年秘密のベールに隠されていたイザイホーは、20世紀後半になって急速に、多くの民俗学者などの取材・記録に公開されたようです。
そのため、たくさんの音声・写真・映像が残りましたが、肝心の祭自体は中断してしまいました。
記録を残したい人、島の外に出たい人、島の内外を交差する様々な欲望が、最後の「イザイホー」を招いてしまったのかもしれません。
 
次に読みたい本は、これに決まり。
「沖縄文化論」(岡本太郎

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)