天声人語がワカラン

新聞講読していないのですが、日曜日には日経、今日は朝日の試読紙が届きました。
新聞販売も大変なのかしら。

で、きょうの朝日新聞を読んだのですが、天声人語が理解できません。
とくに最後のセンテンス、「ほめ言葉」にはどうとっても聞こえないのですが。
どなたかわかりますか。

あ、ちなみに5面には、「味の素創業100年」のカラー全面広告がありました。
こういうのって提灯記事っていうんでしたっけ。笑。

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天声人語(2009-05-20)

 味にうるさい陶芸家の北大路魯山人は、うしお汁などの魚料理は昆布だしに限ると説いた。かつお節では魚の味が重なり、くどくなるという。昭和初期、割烹(かっぽう)も家庭もまだ昆布を使いこなせずにいた東京の、料理講習会での言だ▼京都生まれの食通は、湯の底をさっとくぐらせる引き出し昆布の技も紹介した。それで十分なのだと。昆布とかつお節が織りなす、こまやかだが強い日本の味。本日はある「大革新」から100周年にあたる▼20世紀初め、同じ京都出身の東京帝大教授池田菊苗(きくなえ)は、昆布だしの「うま味(み)」の正体をグルタミン酸と突き止める。海藻から薬を作っていた鈴木三郎助が商品化を引き受け、1909(明治42)年5月20日に売り出した。「味の素」である▼東京朝日新聞に出した初の広告は「食料界の大革新」と気張った。これで財をなした会社は、世界的な食品メーカーに成長した。グルタミン酸は調味料や加工食品の多くに含まれ、味の素といえば今や商品より会社名の印象が強い▼食べ物のおいしさは、欠かせぬアミノ酸を受け取った体からの「感謝のサイン」らしい。甘、酸、塩、苦と並ぶ五つ目の味「umami」は日本で見つかったため、「judo」「manga」のような国際語になった▼ちなみに、魯山人は味の素を好まなかった。量産が始まった頃、「料理人の傍らに置けば、不精からどうしても過度に使い、その味に災いされる」と嘆いた。不精を「簡便」に替えて読み直す。今日の食生活への浸透を見通した、ほめ言葉に聞こえてくる。