人間になろう

昨日、地下鉄に乗って街に出たら、駅に私立大学の広告がたくさんあった。
大学が受験生獲得に必死になっているのはわかるけれど、どの広告のコピーもあまり魅力的ではなかった。
いまでも記憶に残っているコピーは、「人間になろう」。
このコピーはなかなかきつい。
この大学を目指す受験生たちは、「人間」じゃないと宣告されているのだ。
うちの大学で「人間になろう」だなんて、妖怪向けの大学なのかしら。
これは、言葉足らず、または勇み足だと思う。
コピーに込められている本当の思いは、「真人間になろう」なのかもしれないし、「一人前の人間になろう」かもしれない(これもちょっとヘンだけど)。
あるいは、「人間性をもとう」かもしれない。
もしかすると、人間性を失っている社会批判のコピーなのかもしれない。
でも、肝心の思いが省略されているので、簡単に誤解されてしまう。
ひょっとすると、こういったツッコミを入れられることを期待してのコピーかもしれないけれど、インパクトだけで後味が悪いコピーは効果をなさないと思った。