Chim↑Pom騒動について一言
Chim↑Pomが広島上空に「ピカッ」という飛行機雲をつくった騒動は、あまりメディアでは取り上げられていないようだ。私は、mixiのアートマネジメントコミュのトピックとそこにリンクされていた数本の記事しか読んでいないので、正確なところは知らない。アーティストも美術館も謝罪だけで、ちゃんと意見を公開していないのだから、これ以上は何も語ることはできない。
ただ、なんとなくこのアーティストに真摯なところがみえてこない。第一、このユニット名自体が、声に出して読まれることで話題にしたいように思える。自分たちがTVに出演したときに、女子アナが口にしたら面白くない? みたいなノリを感じる。過去の作品群を見ても、単にセンセーショナルな反響を得たいだけのように勘ぐってしまう。彼らは、ただ刺激的な反響と自らのステップアップだけを求めていて、社会的な議論を巻き起こすつもりはないように見える。あるいは、社会的な反響は作品に衝撃を受けた批評家につくらせておけばいいのだ、というようにも。
私は、彼らに限らず、こういう変態的で軽々しいアーティストは好きではない。いや違うな、変態的な軽々しいことをやっていても素晴らしい作家はいる。好きではないのは、世の中をくってかかってるふざけた態度のアーティストのことだ。1960年代生まれの日本の作家に多い気がする。
もし私がそのような作品をつくるのなら、地元住民との話合いは欠かさない。最終的に承諾されようが拒否されようが、そのプロセス自体を作品としたい。本当にその表現が必要であれば、反対する相手を説得するだけの覚悟は必要だろう。そのためには、長い年月がかかるかもしれない。
一方、美術館の学芸員の責任も見逃せない。広島市現代美術館は、彼らに賞を与えたし、記念に展覧会をやるというので、相当に意気込んでいたと思われる。Chim↑Pomは一部では評価が高いらしいので、担当学芸員は、彼らを早々ととりあげることで一旗揚げようとしていたのではないか。今回の場合は学芸員も共犯だろう。
以上、意地悪な見方が出てしまうのは、反対されたらさっさと自粛でコトを済まそうとしているからだ。アーティストも美術館も、少なくとも作品の意図や表現の必要性については反論してほしい。
欧文フォント質問箱
2008年10月28日に開催された東京TDC「小林章の欧文タイプ・セミナー2008」に参加した。
カリグラフィのデモンストレーション
平筆を水平から30度程度回転した角度を維持して文字を描く。
Aの左と右の斜線では太さが違うし、Oの太いところ細いところもわかる。
ライノタイプ社のオフィスでは、1日立って仕事をしている。
国際カンファレンスに参加しよう。
- TypeCon http://www.typecon.com/
- ATypeI
- 『ローマ字印刷研究』
Futuraがナチを連想するからといって忌避する習慣はない。
『書物と活字』のあとがきにそのような記述があるらしい。
洋書の翻訳は間違いがあるので原書と照らし合わせる。
ここにもFutura
http://kokofutura.exblog.jp/
- ヤン・チヒョルト『書物と活字』
どのような文字が美しいのか
白と黒のバランス 文字だけでなく余白の形の美しさにも注目 寄席文字
とにかく洋書をたくさん見よう。だんだんといいもの、わるいものがわかってくる。
和欧混植の例『衣服哲学』研究社(1938)
- 日本人対ネイティブの図式は無意味
- 国際的なデザインが増えてきた(東欧、中欧の文字デザイン/ヨーロッパ人がインドの文字をつくる)
- 各国の書き文字に対応したScript書体の実験がある
- 活字を買うよりもデジタル書体は安くなった。
- デジタル書体のリデザインは、原作者の意向。80年代のデザインが粗悪だったこと。メモリの制約がなくなったことが大きい。
高岡昌生
- ソフトまかせの組流しはみにくい。一行一行ていねいに文字組を。
- フォントサイズによる太さの違いは活字では当たり前。ようやくデジタル書体が活字に追いついてきた。
- 青森県立美術館のV.I. オリジナルフォント 文字幅、角度が制約された文字デザイン
- ブランド=デザインではない。ブランドとは、お客様とのお約束ごとのこと。
柿木原政広
- 松竹芸能のオリジナルフォント SHOCHIKU BOLD 筆文字風の欧文書体
受話器
明日の朝の京成スカイライナーの特急券を予約したい場合、どうする?
電話やインターネットの予約は2日前で締め切られているが、予約センターに電話して聞いてみる。
すぎ「明日の朝の空席ありますか?」
京成「ありますよ」
すぎ「駅まで買いにいけばいいんですよね?」
京成「近くにam/pmがあれば、そこでも買えますよ」
ということで、am/pmに行ってみた。
ロッピーみたいな端末をさがす。
…ない。
ロッピーみたいな端末をさがす。
…あった! あれ、なんか違う。Edy? 電子マネーの何からしい。
ロッピーみたいな端末をさがす。
ロッピーみたいな端末をさがす。
…ない。ないんだな、この店には。別のam/pmを探すか…。
店を出る。
…あるじゃん!
店頭の看板に、「CNプレイガイドBOX」って書いてある!
もう一度、入店。
ロッピーみたいな端末をさがす。
…うーん、ない。店員に聞くか。
と思ったとき、店のコピー機とレジの間の奥地にありました。
それは、受話器。
受話器ですよ。
受話器しかない。
いや、正確には受話器と5個くらいのボタンしかない。
ロッピーみたいな端末だと思い込んでいたので、まったく気がつかなかった。
なになに…「ボタンを押すとオペレーターに直接つながります」だって。
自動応答ばかりの世の中で、いきなりオペレーターにつながるとは、太っ腹なサービスだ。
受話器を手に取り、「チケット」ボタンを押してみる。
リーン、リーン…
誰も出ない。待つ。
リーン、リーン…
待つ。
リーン、ガチャ
出た。オペレーターのオジサンだ。
すぎ「スカイライナーの予約ってここですか?」
オペ「スカイライナーは『レジャー』ボタンを押してください」
すぎ「あ、では、かけなおします」
オペ「まあ、次からは気をつけてくださいね。今回は、このまま受け付けます」
すぎ「あ、ありがとうございます」
うーん。ボタンは複数だけど、つながる先は一緒なんじゃないか?
無事に予約できましたとさ。
それにしてもコンビニに行って受話器をとってオペレーターと話すとは予想外でした。
長野聖火リレー密着ドキュメント
なんか世の中的には、聖火リレーが超話題のようですが、あまりTVを見なくなったので、どう話題なのかついていけてません。
ところが、mixi でさまよっていたら、見つけましたよ。
- http://jp.youtube.com/watch?v=KpbGY-7rIvc
- http://jp.youtube.com/watch?v=9XNDTiB3Yus
- http://jp.youtube.com/watch?v=4e72lszdhmk
- http://jp.youtube.com/watch?v=Cyp4EuG0OW8
- http://jp.youtube.com/watch?v=eUYwJzLF5Ww
- http://jp.youtube.com/watch?v=7Ra_271Wsf0
ドォーモ! 山本華世! 懐かしいね。
「ドォーモ」は、福岡の九州朝日放送制作・九州ローカルの深夜番組です。
http://www.kbc.co.jp/tv/duomo/
他の地域だと、「トゥナイト2」をやっていた時間帯です。
ふだんはアホでエロいんですけど、たまに真面目な特集もやります。
九州にいたときはよく見ていました。
あの頃と全然テイストが変わってませんね。
こういう番組は大好きです。
リンク先は、お早めにどうぞ。
まるごと保存
先週末のイベント「MELL EXPO 2008」で、ひときわ異彩を放っていた展示がありました。
MELL EXPO 2008
http://www.mellplatz.com/
このイベントは、各地のメディアに関する研究や実践の展示が中心でした。そこに唐突に商用製品の展示があったので、周囲からは明らかに浮いていたのです。マスコミから草の根の団体、研究者が展示する中に、ベンチャーが開発したとんでもない商品展示も並んでいる…その状況が私には面白かったです。展示されていたのは、「SPIDER PRO」という商品です。
SPIDER PRO
http://www.ptp.co.jp/spiderpro/
これは、1週間全チャンネルまるごと保存するHDDレコーダーです。
・サイズが大きい
・リモコンは小さい
・インターフェイスは使いやすい(iPod風)
・番組だけでなくCMもデータベース化されている
・CM企業やタレント別検索ができる
・価格は78万円、データベース利用料月額4万円。
まるごと保存と、まるごとデータベース化という力技に脱帽です。
さらにアナログ放送オンリーという短い生存期間にもかかわらず商品化できているのは、やはり企業のニーズがあるからでしょう。企業の広報担当者にとって、自社や競合他社のCMなどを一括チェックできるので相当便利だと思います。
こちらのレビューで、どんな商品かよくわかります。
http://japan.cnet.com/review/editors/story/0,3800080080,20366369,00.htm
というわけで、たしかにすごい機器ですが、ここまで大きいと、ネットワーク上に保存してくれれば済むのに、どうして各端末側でわざわざこんな大きな機械を置いて保存しているのか? とむなしい気持ちにもなります。HDDレコーディングってだけで、放送局は目の敵にしていますからね。彼らに文句を言われないようにするには、自分の部屋で保存せざるをえないということでしょう。
番組とCMの内容のデータベースを随時アップデートしているのもすごいです。でも、このデータベース化が一私企業によって先行されてしまったのは、ちょっと残念です。放送の履歴は、研究的にも公共的にも価値があるので、パブリックにアクセスできるデータベースであってほしいからです。
古典的出版物は一応国立国会図書館などが収集、目録化していますが、放送やインターネットについては、アーカイブがあまり進んでいないようです。
放送は、文字通り「送りっ放し」です。もちろん放送局は自社の放送内容を蓄積しているでしょうが、各放送事業者におもねることなく番組放送の履歴を利活用するには、公共的な目的をもった独立した機関が、これらのデータベースを整備する必要があると思います。
放送番組を引用する研究などでは、出典(初回放送日時など)を調べるのに、このようなデータベースの存在は大きいのではないでしょうか。
リモコン信奉の行きつく先
iPod touchを買いました。
シンプルで美しいインターフェイスに魅了されます。
さて、これは先月オープンしたばかりの某ホールの操作盤と照明リモコンです。
操作盤は、ワイヤレスです。
タッチパネル操作で、映像・音声のスイッチとボリューム調整などができます。
でもこれ、マルチタッチできません。
仮にこのままの GUI でできたとしても混乱します。
ドラッグもできないので、基本的にボタンをポチポチ触れることしかできません。
複数の切り替えを同時に行ったり、変化のスピードをつけることもできません。
タッチパネルだと、やれることが極端に限定されるので、操作方法には、かなりの工夫が要りそうです。
ここはインターフェイスデザイナーの腕の見せ所ではないでしょうか。
しかしこれは、安直にボタンを配置しただけで、パネルの特性が全く考えられていません。
従来の操作盤にある、指で直接扱えるボタン、つまみ、フェーダーなどのコントローラーがいかに優れたインターフェイスかを思い知らされました。
照明のリモコンは、家庭用の照明リモコンとほとんど同じ造りです。
こんなチャチなリモコンでホール全体の照明が切り替わると、ものすごく違和感があります。
1・2・3・4とプリセットがあるのですが、このボタンは光ったりしないので、いま何番の状態なのかがわからないのです。けっこう不便です。
どちらもリモートコントローラーで、とても未来的でスマートに見えます。
が、やはり安直につくられると、結局利用者が困るんですよね。
これを使いながら、そんなことばかり考えていました。
Webブラウザの文字化けを根絶させる方法を思いついた
ブログをはじめ、CMSツールが普及したおかげか、さいきんは、Webブラウザで文字化けに遭遇することは少なくなりました。
ところが、このところ某大学生協のトップページをFirefoxでアクセスすると、必ず文字化けするので、まいっています。
ユーザは、文字化けを解消するのに、ブラウザのエンコーディング設定を手作業で変更します。余談ですが、いま文字化けしているページは、EUCに変えると表示できることが多いです。逆にほとんどのページは、Shift JISかUTF-8になっていることが多い気がします。
文字化けを解消できたかどうかは、文字が正しく表示されて、きちんと読める文章が表示されているかどうかですから、人間の認知によって判断されます。
要は、この認知判断をブラウザが代わってやってくれれば、ユーザはわざわざ面倒な切り替え作業をしないですむはずです。
現在表示されているページが文字化けしているかどうか、は機械的に判断可能だと思います。文字コードの範囲、正しい単語の出現率、あるいは表示イメージ(字形)の特徴から言語ごとに導くことが可能でしょう。もし文字化けしていたら、次に可能性のあるエンコーディングに変えながら、文字化けしていないエンコーディングに辿り着けばよいのではないでしょうか。
最初に書いた通り、さいきんでは文字化けするケースもぐっと減ってしまったので、あまりニーズはないかもしれませんが、いま私はこの機能が欲しい!
さらに、文字化けしたサイトをつくっているWebマスターには、ブラウザから文字化けしていたよと報告もしてほしい。
誰かブラウザに実装してほしいものです。
(とくに調べてないので、すでにある技術かもしれませんが)